神戸みらい博士道場は、未来を描き、切り拓く力を持った科学者やアントレプレナーを育成するプログラムで、受講生が自ら自立的に学び、ビジョンを持ち、探究を推進する力を身につけてもらうことをねらいとしており、何らかの知識を与えることよりは、「探究活動」のスタートラインに立てる環境づくりを目指しています。
探究活動を進めるには、新しい知識を見出すための課題を設定し、見出した知見の確実性を検証し、その知見の価値について検討するために、必要なステップを整える必要があります。ただ、小中学生の段階では、この探究のステップに習熟するよりは、まず、疑問がどんどん湧き、問いをどんどんと発する好奇心を持つことが大事です。それが探究活動の原動力となります。
みらい博士道場では、この好奇心を育むことを重視して、体験ステージ、探究ステージを用意しています。

そのために、多くの「本物」に触れ、いろいろな専門分野で活躍されている「プロ」に直に接し、経験したことをしっかりと振り返ることが大事だと考えています。
「道場」とは、ただ単に師から教えを受ける場ではなく、参加する仲間同士が高め合う場のことです。そのために、「学びのコミュニティ」としての活動を重視し、「経験学習」のサイクルを回すことを助けるセッションを用意しています。
受講1年目の第一段階である「体験ステージ」では、本物にふれ、観察・体験し、また専門家と対話して専門家の思考に触れる機会をたくさん設けています。また、どのセッションでも、見たことや考えたことを振り返り、仲間と語り合い分かち合うための時間を設けています。これらを通じて、「よく見る」、「よく考える」、「しっかり書く」ことができるようになることを目指します。
受講2年目の第二段階である「探究ステージ」では、選抜した10名程度の受講生が、それぞれ自ら探究課題を設定して、自立的に探究を進めるのと並行して、探究活動の足腰を鍛えるための「はかる」、「つくる」、「歩きまわる」機会を設定します。また、探究活動を進めるにあたっては、受講生同士の相互発表やディスカッションを重視し、自らが追究するテーマ以外にも視野を広げる環境を用意します。探究活動は、教員グループや学生メンターが支援をしますが、その際、特定の分野に過度に偏らず、探究活動に必要な思考力や試行錯誤を粘り強くやり抜く力の育成を支援するようにします。
受講3年目の第3段階である「発展ステージ」では、さらに選抜した若干名に対して、より専門的な指導の支援をしながら、探究活動の発展を目指し、高校生向けの「ROOTプログラム」への接続を図ります。
神戸みらい博士道場 師範 蛯名 邦禎